The Tony Bennett/Bill Evans Album
Bill Evans,Tony Bennett
1975年に制作された。トニー・ベネットとの共演作。
トニー・ベネットと言えば、1950年デビュー以来数々のヒットをとばした、グラミー賞常連のアメリカを代表するヴォーカリストの1人である。
トニーが自己のアルバムで"ワルツ・フォー・デビー"歌った事がきっかけで、予ねてからトニー・ベネットのファンであったビル・エバンスのアプローチで共演が実現した。
歌は好きだが、歌伴は苦手で自ら進んでボーカリストとの共演を望む事は無かったエバンスだが、今回の共演は、自らが持ちかけ、明確なコンセプトを持ってのぞんだ為、単なる"歌伴"を超越した仕上がりとなったようだ。
この共演の伏線には、その前にデュオで録音されたエディ・ゴメスとの
Intuitionがあり、結果ピアニストがボーカリストを引き立てる伴奏をするのではなく、あくまで対等にコラボを繰り広げている。
選曲もビル・エバンスのレパートリーがほとんどで、すでにトリオの演奏で聞きなれているものばかりなので、ヴォーカル入りで聞くととても新鮮。
ベースが居ないエバンス作品はあまり聞いていないんだけど(笑)いつもトリオで聞いている曲を改めて"歌"で聞くと楽曲の良さが凄く伝わってきますね。"The touch of your lips"などは、このアルバムで好きになりました。
この共演はこの作品だけでは終わらず、1976年にはニューポート・ジャズフェスティバルのオープニングアクトを努め、この模様は
Together Againに収められている。